Light Yellow after Dark

彼が「シャンパンを飲もう」と言ってきた。

何回目?最近5回目くらいのセリフ。

だいたい私はシャンパンが好きじゃない。

シュワシュワした泡と薄く黄色い見た目はエレガントだけど、たくさん飲むと吐く息が熟成した果実の苦い匂いになる。

味もよくわからない。それならスッキリした白ワインを飲みたい。

私はさっき買ってきた岡崎京子の「End of the World」を読み終わったあとは、きくりゆみこ(大好きな文筆家?)の「愛を、まぬがれることはどうやらできないみたいだ。」を読んでいて、それを読み終わったら新しく創刊された雑誌「ATLANTIS」を読むというラインナップでベッドの上に座って、文字の波と空想の世界に没頭しているところだった。

彼は熱心なフットボールファンだから、今夜もフレンドリーゲームをライブで見ながら、新しく引っ越してきたこの家に細々とした生活雑貨をアマゾンで探していた。

私にシャンパンの開け方を教えながらコルクをひねり、グラスに注ぐ。

「ホームパーティでもするときに開ければいいのに」「でも今日は二人の静かな夜だから一緒に飲みたいんだよ」

泡がシュワシュワシュワと満たす。

「新しい家に」カチンとグラスを当てる。

ふた口飲んだあとは、私はまた文字を読み続ける。彼はパソコンの画面を見る。

ある夕暮れ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です